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2012年 04月 02日
印刷物
そもそもの事の始まりは、カメラマンの邑口くんが、昼の光で
料理を撮影したい、と言いだした事でした。
(毎月の教室で作る料理は、夜の明かりで撮る、と決めているので。)
一昨年の冬に、じゃあ「ちょっと遅めに食べる朝ご飯」っていうテーマにして
撮影しようと決め、毎月、午前11時頃から撮影していました。

この撮影方法はちょっと面白くて、自分もこのテーマに沿うように、
撮影の前日まで何を作るか考えない、というものでした。
前日の夕方から、今、冷蔵庫の中にあるものと相談して、スーパーに買い出しへ
行き、即興的に料理を組み立てるというやり方です。

これを数ヶ月続けるうち、これはひとつの本にまとめるというよりも、
今の気分をパッとすぐ表現できる媒体にしたいね、ということになりました。
作る、撮る、発表するという一連の流れを、できるだけ早くしたかったのです。
そこで浮かんだ言葉が「印刷物」です。
書籍でも雑誌でも、ZINEでもないものを目指すべく、印刷と写真と料理の
新しい可能性を探る試みです。
今の気分を切り取りたいので、重版はありません。刷り切り御免。
出版社を通すことは、初めから頭にはありませんでした。

料理は食べてしまうと消えてしまう物だし、出来上がってから食べる間にも、
その輝きはどんどん失われていくもの。
一番きれいな瞬間を切り取れるのは、カメラ(写真)という道具です。
逆にカメラで再現できないのは、その味や香り、食感などの感覚的要素。
感覚的要素を補う物としてレシピがあり、その文章と写真が補完し合うような関係性。
ただ、素晴らしい写真は感覚的要素を大幅にカバーします。

写真の面白いところは、実際見ているものより、より物がよく見える、ということです。
(視覚の話です。写真によって物の格が上がる、という意味ではありません。)
肉眼では捉えきれない、細やかな表情が、豊かに伝わってくるような写真。
自分でも驚くことが、本当に良くあるのですが、ああ、この料理ってこうだったんだ!
というのが、邑口くんの写真にはあります。
写真は第三者が撮っているものなので、それは他者のフィルターを通した物だから
より一層強く感じられるのかもしれませんね。

デザインはQullo&Co.の田島さんにお願いしました。
以前、大地を守る会の書籍「農家ごはん」で仕事をさせて頂いたご縁があり、
今回お願いすることにしました。
この時も驚いたのですが、ああ、デザインするってこういうことか、とストンと
心に落ちてくるような仕事でした。
ある物をどう加工するのか、という点で、自分の経験と知識を生かし、良い物に仕上げて
いくのは、料理と共通する様な感覚なのかもしれません。
田島さんの様々な提案にも驚かされることばかりで、想像以上の物が
出来上がる瞬間は、物作りにおける最高の喜びです。

編集は山中純さん。山中さんは教室の超初期の頃からずっと通い続けてくださり、
毎度毎度おいしいもの情報に常にアンテナを張り巡らせているフリーの編集・ライターさんです。
よく食べ、よく飲み、よく仕事をする(そしてサブカル知識が半端じゃないくらい豊富)
自分の料理と、邑口くんの写真のことも、深いところで理解してくださっている方です。
印刷のことや、どう流通させていくかなど、ベテランならではの豊富な知識でいつも
助けて頂いています。
あ、よく食べ、よく飲み、よく仕事するのは他のメンバーにも言えることでした(笑)。

全員に共通しているのは、迷いが無く、まっすぐな表現で、お互いの仕事を
尊敬していること。自分の仕事を完璧にこなすこと。
何よりみんな、食べることが大好きです。
素晴らしいメンバーに出会えたことに感謝しています。

今回の「1」は、A1ポスター2枚、B2ポスター1枚の3枚1組で、
レシピが6品載っています。
春眠暁を覚えず、という言葉もありますが、まさにちょっと寝坊した朝のご飯、昼食に
ほどよいレシピが載っています。
レシピが特殊で、ちょっと面白いと思います。
え?というような材料が、料理の本質を捉えるものであったりもします。
部屋に飾って楽しめるような美しい写真とデザインに仕上がりました。
(でも壁に貼ってるとお腹が空いてしまうかもしれない。)
4月15日に発送する予定です。ご予約も受け付けています→印刷物の予約はこちらから
メールアドレスのところ、写真ですけどクリックできますからね。

それでは、初の印刷物をどうぞお楽しみに。






# by igrekdoublev | 2012-04-02 17:41
2011年 12月 14日
コントロールすること
先日、グレン・グールド(音楽家)の映画を観てきました。
彼のピアノは、もちろん家ではよく聴いていますし、
その風変わりな性格や演奏方法も、よく知られているものだと思います。
映画では、彼の一生をドキュメンタリータッチに描いており、
バーンスタインやアシュケナージなど、登場する人物を観ているだけでも豪華。
当然ですが、劇中の音楽は全てグールド演奏によるもの。
映像も美しく、音楽も素晴らしいので、ぜひ期間中に観てみてください。
http://www.uplink.co.jp/gould/

彼はピアノを完璧にコントロールしていました。
それはもう、それ以上のものがないくらいに。
ピアノという「道具」と、自分の肉体(指の動き)を、
完璧に理解していたのだと思います。
演奏中は、ピアノと彼の肉体がそこにあるのみで、正確なタッチから
紡ぎ出された音の羅列が、空間を満たす。クリアーで清潔な、音。
完璧なコントロールが、彼の音楽の世界を、形作っていました。
きっと料理も、火と、水の完璧なコントロールができたら、それは
もう芸術と呼べるような一皿ができるのかもしれない。

人生は思うようにいかない(グールドもそうだったように)。
けれど、その全てではなくても、理解して、感覚を働かせて、コントロール
することで、素晴らしいものを作ることはできる。
それは芸術だけでなくても、もっと身近な生活空間や、仕事にも
共通していることだなぁと思います。

# by igrekdoublev | 2011-12-14 13:51
2011年 08月 31日
お買い物
今回のGINZAはお買い物特集。
ちょっとお買い物観について書いてみたいと思います。

昔はもうコムデギャルソンフリークだったので、とにかく
買いまくっていました(笑)
学生時代のバイト代は、ほとんどコムデギャルソンに捧げたと言っても
過言ではありません。
そしてそれと同時に、家具や建築も好きだったので、インテリアにも手を伸ばし、
(というのも、服ばっかりにお金をかけて、部屋は気にしない、というのが
嫌だった)美味しいものも好きだったので、食べ歩いたり、あるいは自分で作ってみたり。
そうこうしているうちに、料理もできるようになりました。
衣食住の三角形のバランスがとれるように、色々なものを買い漁る日々。
ただ、闇雲に何でも買うのではなく、一つ一つ吟味して、本当に必要で、
自分の部屋に置いたり、着たりしたときに嫌じゃないか?イメージができるか?
そして「きちんとしているか」というのがキーでした。

きちんとしたもの、それは経年変化に耐えうる、時間を越えて評価できるもの。
しっかりものを選んできたおかげで、うちには十年以上使っているものがたくさんあります。
毎日目に入ってきても、飽きずに使え、かつ美しいもの(金額は全く関係ないです)。
引っ越しの時に捨てるものがたくさんある、というのが信じられないのです。
うちには捨てるべきものは何もないので、引っ越しは大変なのですが、何年も
かけて妥協せずに集めてきたものに囲まれていて、幸せです。
子供の頃に誰もが持っていた、宝箱。今は宝箱の中に住んでいるとさえ思えます。
これからも宝物が増えていくんでしょう。。。うーん、箱がいっぱいになりそう。

そして今、教室でいくつかの料理道具を扱わせて頂いています。
全て自分が使ってみて、納得し、心からお勧めできるものだけをこちらから
お願いして、販売させてもらっています。
そして生徒さんには「買ってください!」と言うようにしています。
それはなぜか。単純な答えですが、いいものを作っている会社も、
売れなければ作り続けていくことができなくなるからです。
本当に、本当にまがい物だらけの世の中で、とにかく安いものが
売れるこの現状。安くて、使い捨てで、経年変化に耐えられないもの。
洋服、本、家具、食べ物、建築、全てのジャンルに蔓延していますね。
(作り手の意識からおかしいと思ってますけど。ゴミを作るな!安くて
いいものもたくさんありますが、見極める目が必要。)
そんなものばかりが売れて、真面目なもの作りをしている職人さんたちが
仕事をできなくなり、いいものを世に出すことができなくなったら、
それはとても悲しいことです。想像したらゾっとします。

買い物をする時に、頭に置いておきたいのは、
「人よりものの方がずっと長生きする」ということです。
時を経てアンティークになるか、ゴミのまま残るか。

イタリアで買った安いアンティークのお皿があります。
ヒビが入っていたので、直しに出しました。
「かすがい」という直しの手法で直してもらいましたが、見積もりは
そのお皿を買った値段の3倍(難しいやり方なので値段も高いのです)。
そのかすがいを友人は銅で作ってくれました。
皿の絵柄が深いこげ茶で、使っていくうちに銅のかすがいに緑青が入って、
より美しくなるのではないか、という理由です。
もしこのお皿が、無事に壊れずに100年、200年経った時、私たちはもうどこにも
存在しませんが、誰かがまたこの緑青のふいたかすがいを美しいと思い、
使い続けてくれたらどんなに素敵なことだと思いませんか。
ゴミを出さない、というのはそういうことではないでしょうか。










# by igrekdoublev | 2011-08-31 00:26
2011年 07月 28日
panpuriの石鹸
この夏、ハマったのがpanpuriの石鹸です。
マンダラ・スパでも使用されているもので、香りが抜群に良いですね。
タイのオーガニックブランドで、新宿伊勢丹の2階で取り扱いがあり、
ハンドケアやボディーケアまで幅広く商品展開をされています。
日本で買うと結構良いお値段なので、タイへ旅行に行った友人に
頼んで買ってきてもらいました。パッケージも素晴らしい。
引き出しに入れて、ハンカチに移る香りを楽しんでいます。
ジャスミンがお気に入りですが、他にもレモングラスやローズウッドなど、
4種類作られているようです。
ちなみにうちのお風呂場は、シャンプーと石鹸しか置かないようにしています。
ごちゃごちゃ水回りに物があると、容器の底がヌルヌルになったり、掃除が大変。
物は少ない方がいいですね、といってもお気に入りは増えていく一方。。。


# by igrekdoublev | 2011-07-28 12:25
2011年 07月 14日
コンランショップの枕
前回の快眠つながり、ということで今回は枕です。
コンランショップのオリジナルで作られている、ダウンピロー。
ダウンとフェザーが半々の割合で詰めてあり、長年使用していますが、
天気の良い日に干してあげれば、膨らみは全く変わりません。
3つ持っていて、一番古いもので8年くらい使っていると思いますが、
見分けがつきませんよね。新しいものでも4年は使っていると思います。
高密度の二重の綿ツイルで包まれているので、羽が抜けてくる事も
滅多にありません。
一時期テンピュールの低反発枕が爆発的に流行りましたが、これだけ
しっかりとした羽枕だと、もはや低反発枕と同じような使用感。
枕を買うと、ついてくる(というか枕が入れてある袋)も布製の
ベージュと水色のストライプで、とてもかわいらしい。
うちではランドリーバスケット代わりに、吊るして使っています。
ピローケースも肌触りの良い、上質で大人っぽいデザインのものが
揃っています。
眠る事は、一日の終りの、最後の幸せな時間。大切にしたいものです。

# by igrekdoublev | 2011-07-14 18:09


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